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ソニー、日立…相次ぐ「事業再編」本当の狙い 電機大手各社は再編後の成長戦略がカギに

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事業再編が進む電機大手各社。その狙いとは。

東芝の臨時株主総の会場入り口
株式併合などの議案を可決した東芝の臨時株主総

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電機大手の間で、事業ポートフォリオの見直しが続いている。

2023年5月、ソニーグループは金融事業の分離を2〜3年以内に実施すると発表した。金融子会社の持ち株比率を現在の100%から2割前後まで引き下げ、証券取引所への再上場を目指す。

日立製作所はホンダとの合弁で21年に設立した日立Astemoへの出資比率を引き下げ、23年10月に連結子会社から持ち分法適用会社とした。

パナソニック ホールディングスは24年3月に自動車部品事業の子会社、パナソニック オートモーティブシステムズの株式の過半を米ファンドに売却する。三菱電機も24年4月に自動車部品事業を分社化する。

背景に株式市場からの要求の高まり

各社が事業再編を相次いで発表する背景には、株式市場からの要求の高まりがある。東京証券取引所はPBR(株価純資産倍率)が1倍割れの企業に対して是正策の開示を求めている。

海外投資家の間で日本株に注目する動きが出ていることもあり、大手企業ほど収益性向上への圧力は高い。

下表のとおり、コロナ禍前の18年度と比べて3社の時価総額は増えた。だが、18年度に巨額の減損を出した日立を除き、経営の効率性を測るROE(自己資本利益率)は低下した。利益水準はおおむね改善しているが、それ以上に利益剰余金が膨らんでいるためだ。

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