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パナソニック社長が憂慮する「5%ボケ」の正体 事業部長の意欲・意識を高めるのが社長の役割

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就任から3年が過ぎた、パナソニック楠見社長の独占インタビュー(前編)。「過去には焦りすぎて固定費だけを減らして、事業のサステナビリティを失うこともあった」と語るが、どうやって成長軌道に戻し、低収益事業をテコ入れするのか。前編では社内改革について語り尽くした。

パナソニックHDには4桁億円規模の売上高を持つ事業部が複数ある(記者撮影)

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電機大手の中で収益性の改善や成長事業の育成に遅れが目立つパナソニック ホールディングス(HD)。2021年に就任した楠見雄規社長は「危機感」を強調するが、株式市場からの評価はまだ定まらない(関連記事「独り負けのパナソニック”成長3事業”で大誤算」)。これから3年先を見据えて、パナソニックをどう導くのだろうか。

事業部に経営意識が不足している

――社長就任から3年が経ちましたが、課題として掲げてきた「収益性改善」が遅れています。

社内の事業部長などと話していると「まずは(調整後営業利益で)5%を目指す」という話がいまだに出てきたりする。掲げている目標は「WACC(加重平均資本コスト)プラス3%」なのに、調整後の営業利益率で5%を確保できればよいという考え方が、事業会社の社長や事業部長の頭に残ってしまっている。

これを私は「5%ボケ」と言っている。前任の津賀(一宏社長)がハードルレートとして言っていた5%という基準が、なぜか「5%あったら大丈夫」という風に伝わってしまった。

当社では、事業会社の中の「事業部」の単位でも4桁億円ぐらいの売上高がある。これは、東京証券取引所のプライム市場に上場している中堅企業と変わらない規模だ。

上場企業の社長が投資家に対して責任を持って経営をしているのと同じように、当社の各事業部もホールディングスを通して投資家のお金を預かって経営している。各事業部のトップが、自分の会社として経営していくという意識や意欲を高めていく必要があるし、そういう事業部長を育てるのが本社の社長の役割だと感じている。

――旧・松下電工の関係者から、全社の業績についての不満の声を聞きました。

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