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介護職員"流出"が深刻化、低賃金体質は変わるか 24年の報酬改定は大幅引き上げも「まだ足りぬ」

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介護職員の給与は政策的に上げられてきたが……

車椅子の高齢者と介護職員
(写真:takeuchi masato / PIXTA)

特集「2024大予測|産業・企業編」の他の記事を読む

鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。その先にあるのは活況か、暗転か――。
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「2023年夏以降、他業界への転職者がいっそう増えている」(大手介護事業者)。介護を必要とする人が増える一方で、介護業界の人材流出が深刻だ。

厚生労働省の雇用動向調査によると、2022年の介護分野における入職率と離職率の差はマイナス1.6%と、初めて「離職超過」に転じた。日本の高齢者数は2040年度にピークを迎える見通し。そのときに必要な介護職員数は約280万人で、今より約66万人増やす必要がある。

業界は外国人や定年後の高齢者の活用に取り組むが、見通しは極めて厳しい。

足元の人材流出の原因は、物価高に対応した他産業の賃上げに、業界が追いついていないことだ。その点、3年に1度改定される介護保険サービスの公定価格、介護報酬の2024年度改定では、職員の処遇改善が焦点となった。

全産業との賃金差は約7万円

介護職員の給与はこれまで政策的に上げられてきた。それでも全産業との差は7万円近い。しかも、今年の春闘の賃上げ率が3.69%と高水準だったのに対し、介護業界は1.42%にとどまった。

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