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"私たちの保険料"で成り立つ介護保険の将来像 上がり続ける介護保険料、増える利用者負担

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縮小

縮小は避けられない?

1万円札と車椅子の高齢者と介護者のミニチュア
(写真:kai / PIXTA)

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今は当たり前のように使える介護サービスだが、職員不足に歯止めがかからず、これまでにないレベルの崩壊が起きている。
『週刊東洋経済』2月17日号の第1特集は「介護 異次元崩壊」だ。「自宅で最期まで」――。10年後は、そんな希望はかなわないかもしれない。
週刊東洋経済 2024年2/17号(介護 異次元崩壊)[雑誌]
『週刊東洋経済 2024年2/17号(介護 異次元崩壊)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

Q. 給与引き上げで人手不足は解消されるのか?

結論を先取りすると、給与引き上げは絶対に欠かせないが、それだけで解決しない難しさがある。

まず、引き上げが必要な理由を述べよう。介護事業所の収入は公定の介護報酬に左右される。3年に一度の報酬改定では、2012年度から計10万円程度、給与が段階的に引き上げられてきた。

それでも2020年度現在で月収は全産業平均と約6万円の開きがあり、一層の引き上げは不可欠だ。さらに、インフレ下で物価やほかの産業の賃金が上がっても、介護報酬を引き上げなければ給与格差が広がることになる。

しかし、介護報酬の増額には税金や保険料の確保が必要になるため、実現は容易ではない。実際、24年度改定では1.59%の報酬増が決まったが、訪問介護の基本報酬が下がったため、審議会では業界団体から異論が相次いだ。

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