介護施設で対応できない認知症患者が精神科病院に多く入院している。
今は当たり前のように使える介護サービスだが、職員不足に歯止めがかからず、これまでにないレベルの崩壊が起きている。
『週刊東洋経済』2月17日号の第1特集は「介護 異次元崩壊」だ。「自宅で最期まで」――。10年後は、そんな希望はかなわないかもしれない。
身体拘束は、介護保険施設では運営基準によって原則禁止が貫かれている。
放置すると本人の生命に危険が及ぶなどの緊急時において、切迫性(危険が差し迫っている)、非代替性(ほかに方法がない)、一時性(短時間で終える)の3要件をすべて満たす場合にしか行えない。身体拘束を受ける人のダメージは甚大なので、極めて慎重な取り扱いになるのは当然である。
厚生労働省の「身体拘束ゼロへの手引き」には、拘束による身体的弊害だけでなく、「不安や怒り、屈辱、あきらめといった多大な精神的苦痛を与えるばかりか人間としての尊厳をも侵す」「さらに痴呆が進行し、せん妄の頻発をもたらすおそれもある」などの精神的弊害も具体的に記されている。
管理のしやすさを優先
ところが、こうした正論は質の低い精神科病院では通じない。
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