表に出ることのない介護職員たちの苦悩。現場での生々しい体験を語る。

(写真:KY / PIXTA)
今は当たり前のように使える介護サービスだが、職員不足に歯止めがかからず、これまでにないレベルの崩壊が起きている。
『週刊東洋経済』2月17日号の第1特集は「介護 異次元崩壊」だ。「自宅で最期まで」――。10年後は、そんな希望はかなわないかもしれない。
介護の現場で働く人々は、どんなことを考えながら職務に当たっているのか(個別取材を基に座談会形式で構成)。
[参加者PROFILE]
Aさん 訪問ヘルパー 60代女性
Bさん 元グループホーム勤務 50代男性
Cさん 特別養護老人ホーム職員 30代女性
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A 私が勤めている訪問介護事業所では、人手が回らず新規の依頼は断るケースが出てきた。数年前までこんなことはなかった。
最近は若い人が入ってこないからヘルパーの平均年齢が上がっていて、朝や夜はシフトに入れないでほしいという要望が増えている。
B 2022年までグループホームに10年間勤務していた。人手不足はつねに深刻だった。国が定める人員配置基準は守れていたが、それでも業務は回っていなかった。人が辞めても補充されず、会社からは「もっと大変な施設があるんだから」と説得されていた。
技能実習生など外国人が大活躍
C 私が勤めている特養も人手が足りていない。毎年3〜4人は新卒を採用していたのに、次年度は1人しか入る予定がない。その1人が4月、本当に来てくれるだろうかと人事部はヒヤヒヤしている。
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