介護人材紹介市場の急膨張で、悪質な会社も登場している。

(写真:polkadot / PIXTA)
今は当たり前のように使える介護サービスだが、職員不足に歯止めがかからず、これまでにないレベルの崩壊が起きている。
『週刊東洋経済』2月17日号の第1特集は「介護 異次元崩壊」だ。「自宅で最期まで」――。10年後は、そんな希望はかなわないかもしれない。
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「おたく何か悪いことしてる? してないんだったら払ってよ。規約に書いてあるとおり、サイト掲載料を払ってくださいよ。払うまで電話をかけ続けるよ」
これは2023年の秋、東京都内の介護事業所にかかってきた電話の通話記録。話者は、人材紹介会社のスタッフを名乗る人物だ。
人手が足りない介護事業所は昨年の夏、「サイトへの求人掲載は無料」とうたうこの紹介会社を頼った。「安心して掲載を依頼したのに、突然『掲載料を払え』と恫喝まがいの催促をしてくるようになった」(社長)という。
この紹介会社は契約後、介護事業所に1枚のファクスを送信していた。そこには「3カ月が過ぎたら掲載料金が発生する」という規約が記されていた。
しかしファクス送信後に電話一本の連絡もなく、介護事業所は相手から指摘されて初めてファクスの存在に気づいた。「そんな詐欺みたいな話があるかと支払いを拒んだが、また恫喝電話がかかってくるのではないかと職員たちは脅えている」(同)。
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