有料会員限定

「汚れおむつ使い回し」特養で起きた虐待の真相 高齢者虐待を繰り返す施設の特徴

✎ 1〜 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 20 ✎ 21
拡大
縮小

調査資料には目を疑うような言葉が並ぶ。

必要なおむつ交換をしなかったという関係者の証言。東洋経済が豊橋市に情報公開請求をし入手した虐待の調査資料(記者撮影)

特集「介護 異次元崩壊」の他の記事を読む

今は当たり前のように使える介護サービスだが、職員不足に歯止めがかからず、これまでにないレベルの崩壊が起きている。
『週刊東洋経済』2月17日号の第1特集は「介護 異次元崩壊」だ。「自宅で最期まで」――。10年後は、そんな希望はかなわないかもしれない。
週刊東洋経済 2024年2/17号(介護 異次元崩壊)[雑誌]
『週刊東洋経済 2024年2/17号(介護 異次元崩壊)[雑誌]』(東洋経済新報社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

介護施設での高齢者虐待は毎年過去最多を更新し続けている。2023年に虐待が発覚した特別養護老人ホーム「つつじ荘」は、愛知県豊橋市が運営する公営施設だ。施設はすでに改善計画書を市に提出しているが、それで組織の体質は改善されるのだろうか。

東洋経済が入手した豊橋市の調査資料には、目を疑うような言葉が並ぶ。

「くそ、漏れてるじゃないか」

「呪いをかけてやろうか。死んだ方がいい」

これは豊橋市が2023年10月に行った関係者への聞き取り調査記録の一部で、ある職員の入所者に対する言動だ。「おむつをしている入所者にその場ですればいいと言った」という証言もある。

市は、おむつ交換が必要な人を放置して衣類が濡れるほど失禁させたことや、入所者の衣類の袖を縛って手指が動けないようにしたことを虐待と認定した。市への通報内容には次のような記述がある。

「多動で落ち着きのない入所者を動けないように、車いすの前輪を上げていた。明らかに危険」

「ベッドを壁につけ、反対側には2点柵を付け降りられないようにした」

時期は「16年前」とあるが、「入所者の顔から流血し、床に血液の付いた足跡があった」という通報内容もあった。

半数以上の職員が関与

今回の調査結果では虐待を行ったとされる職員は3人とされる。しかし、その1カ月前の9月末に行われた市の調査では、職員の半数以上に当たる17人が関わる虐待が判明していた。施設は2022年と2023年の夏場にエアコンが故障したことから入所者をロビーで生活させていた。人前で排泄をさせたり、仕切りのない状態でおむつ交換をしたりしていたことが性的虐待と認定された。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
介護 異次元崩壊
職員不足に歯止めかからぬ"介護業界の窮状"
これまでにないレベルの崩壊が起きている
ヘルパーが消え、サービスを受けられなくなる日
訪問介護の報酬減には「怒り通り越して"あぜん"」
老健局長の間隆一郎氏インタビュー
22人に1人で対応、コールが鳴りやまない
事業所の倒産相次ぎ、2023年は過去最多を更新
上がり続ける介護保険料、増える利用者負担
身元保証代行サービスはトラブルが続発
血管を詰まらせ死亡する例が繰り返し報告
「前歯を折られた」「派遣の質はよくない」
「自力でトイレへ行けるようになったら応募して」
れいわ新選組・天畠大輔議員が語る「労働の価値」
「介護サービスが過度に市場化された」
ベイン、MBKパートナーズ、日本産業推進機構…
政府が規制緩和の根拠とした結果は正しいのか
訪問看護を行う事業所数は10年で倍増!
「掲載料を払うまで電話をかけ続けるよ」
「薬で動けなくする」「部屋に閉じ込める」
高齢者虐待を繰り返す施設の特徴
申請の前からさまざまな手を打つことが肝心
特養、老健、サ高住、グループホーム……
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内