綱渡り状態の過酷な夜勤体制。介護職員への重圧は大きい。
今は当たり前のように使える介護サービスだが、職員不足に歯止めがかからず、これまでにないレベルの崩壊が起きている。
『週刊東洋経済』2月17日号の第1特集は「介護 異次元崩壊」だ。「自宅で最期まで」――。10年後は、そんな希望はかなわないかもしれない。
5階から4階へ、再び4階から5階へ。薄暗い階段を介護職員の志村奈美子さん(34)が走るスニーカーの音が響く。午前3時、最も過酷な時間帯だ。
1月19日、東京都目黒川沿いに立つ特別養護老人ホーム「青葉台さくら苑」。この日の夜間勤務を担当する志村さんは、5階に入居する22人に1人で対応する。これは国が定めた職員の配置基準を満たした一般的な夜勤体制だ。
夜9時、定期巡回が始まった。真っ暗な居室を回り、ライトを当てて一人ひとりに異常がないかを確認する。2時間ごとの巡回では、床ずれを防ぐため、寝返りが打てない人の体の向きを変えていく。
トイレ介助とおむつ交換に追われる
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