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"働きたくても働けない"重度障害者介護の死角 「自力でトイレへ行けるようになったら応募して」

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介助が必要な重度障害者は、労働を制度的に封じられている。

勉強会で発言する小暮理佳さん
介助付き就労の勉強会で発言する小暮理佳さん(写真:記者撮影)

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今は当たり前のように使える介護サービスだが、職員不足に歯止めがかからず、これまでにないレベルの崩壊が起きている。
『週刊東洋経済』2月17日号の第1特集は「介護 異次元崩壊」だ。「自宅で最期まで」――。10年後は、そんな希望はかなわないかもしれない。
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「自力でトイレへ行けるようになったら応募してください」

ある広告代理店の採用担当者から投げかけられた言葉を、大阪府吹田市の小暮理佳さん(27)は忘れられない。大学時代に参加した、障害者向けの合同就職説明会。待っていたのは、実質的な「門前払い」だった。

小暮さんは2歳のとき、脊髄性筋萎縮症(SMA)と診断された。全身の筋力が徐々に衰える進行性の難病で、根本的な治療法はまだ存在しない。上半身は動かせるが、下半身の自由が利かず、移動は電動車いす。重度訪問介護(重訪)で、ヘルパーから食事や入浴、排泄(はいせつ)などの介助を受けて暮らす。

介助費用を自身か企業が負担

重訪は介護保険と混同されがちだが、全国で約1万2000人が利用する障害福祉サービスの1つだ。小暮さんが冒頭の発言を受けたのは、管轄の厚生労働省が就労中の支給を認めていないから。重度障害者が働こうとすれば、月40万円ほどの介助費用を自身か企業が負担しなければならない。

それでも諦めたくなかった。

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