突然の障害で職を失う
「ただ障害者というだけで、周囲から『何もできない人』と見なされる。それが働く中で一番つらい」
そう語るのは、神奈川県茅ヶ崎市の濱田靖さん(58歳)。肢体不自由で身体障害者手帳2級を所持する。右半身がマヒしており、上肢は親指と人さし指しか動かせず、下肢はひざから下の感覚がほとんどない。
障害を負ったのは2004年9月のこと。茅ヶ崎市の病院で健康診断を受けた際、採血中に意識を失った。気づくとベッドの上に寝かされていたが、全身の筋肉が硬直して目も開けられない。妻に迎えに来てもらい、借りた車いすに乗って帰宅。玄関でまた昏倒し、翌日の朝まで目覚めなかった。
療養のために実家がある佐賀県へ帰省すると、医者からは「脳に小さい梗塞のような痕跡がたくさんある」と言われた。頸椎や脊髄の損傷も発覚。約1カ月半にわたり入院し、懸命なリハビリの末に杖をつけば歩けるまで回復した。医療事故を主張したが、健康診断を実施した病院側は認めず、民事訴訟でも敗訴に終わった。


















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