日本は今、地域医療の危機を迎えています。2025年には、団塊の世代が後期高齢者となり、認知症患者も大幅に増えることが予想されています。
このままでは近い将来、患者さんがかかりつけ医を見つけられなくなり、地域医療が崩壊してしまうかもしれません。
『「総合診療かかりつけ医」がこれからの日本の医療に必要だと私は考えます。』の著者、菊池大和医師が現状と課題、真のかかりつけ医の必要性、そして地域医療を守るための方策について伝えています。本稿では、同書から一部を抜粋、編集してお届けします。
約3人に1人が高齢者になる
「いつでも、なんでも、だれでも、まず診る、総合診療クリニック」を早急に増やさなければいけない背景として、急速に進む少子高齢化があります。
2025年には団塊の世代の多くが75歳を迎え、一気に高齢者人口が増えることから「2025年問題」と呼ばれていますが、最近では「2040年問題」、さらに「2050年問題」などと呼ばれる、深刻な未来予測が指摘されるようになりました。
これらのなかで、医療者の私が一番スルーできないのは「2040年問題」です。政府の推計では「約3人に1人が65歳以上の高齢者」になります。100歳以上の方が、今の約9万5000人から30万人になるとも試算されています。
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