「認知症かも?」の初動、意外と知られてない正解 「まずはどう動く?」「何科に?」専門医が解説

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認知症 認知症かも
自分や家族が「もしかして認知症?」となったとき、どこでどのように診療を受けたらいいのでしょうか(写真:78create/PIXTA)
厚生労働省研究班によると日本の認知症高齢者は約440万人(2022年)、団塊ジュニア世代が65歳以上となってくる2040年には584万人と、高齢者の15%まで増えると予想されています。もし自分や家族が「もしかして認知症?」となったとき、どこでどのように診療を受けたらいいのでしょうか。
「恐れる」認知症から、「備える」認知症へと変わる「新しい認知症観」について現場を知り尽くす専門医が解説した『早合点認知症』より一部抜粋、再構成してお届けします。

まずはどう動いたらいい?

学会等の会合で他の都道府県の医療や介護の関係者と会ったときなど、その人の地元で認知症の診療をしている医師を知っているか、尋ねられることがしばしばあります。「最寄りでいい先生、いませんか?」ということだと思います。

しかし、私は他の都道府県の地理にうといこともあり、いつも答えに窮します。

何をもっていい先生なのか、という問題もありますが、認知症について知識や診療経験があり、患者さんに対して親身になってくれる先生たちを知らないわけではないものの、全国のいたるところにいるわけではない。認知症の人の増加を考えると、比較的に「認知症について知識・経験を備えている医療人材」はまだまだ少ないと感じている状況のため、答えに窮するのです。

しかし、相手も困って尋ねていると思うので、認知症の診療について尋ねられたら、以下のように答えています。これは「認知症かもしれない」と考え、治療を受けたいと思うようなとき、みなさんにも参考にしていただけると思うので、どのように答えているかご紹介しましょう。

まず、最寄りの「認知症疾患医療センター」に連絡することを提案します。都道府県や政令指定都市が指定し、病院に設置している、認知症の医療相談や診察に応じる専門の医療機関のことで、全国にあります。

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