「認知症かも?」の初動、意外と知られてない正解 「まずはどう動く?」「何科に?」専門医が解説

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とはいえ、インターネットの口コミなどは、ポジティブ発言はあまり投稿されず、ネガティブな発言が集まりやすいのも事実です。

専門性を調べ、口コミも調べて、受診先を検討するのがよいのではないかと思います。

認知症の人が病院へ行くのを嫌がるときは?

病気のとき、「自分は病気かもしれない」「病気だ」と認識することを「病識がある」と言います。アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の場合、初期には病識があるのが一般的ですが、進行すると病識が薄れてくる場合が多く見られます。病識の低下は、脳のどこが障害されるか、その部位と関係しているようではありますが、まだ詳細は不明です。

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病識があれば、「病院に行かなくちゃ」と思えますが、病識がなければ、病院にかかる必要などないと考えるのが当然ですね。そこで、医療が必要だと感じるご家族と、不要だと主張する認知症の人と、衝突が生じて困っているケースに度々出会います。

ご本人は「絶対に病院には行かない」と言っていても、やはり何か病院にかからないといけない病気がある(ように見える)となると、訪問診療の対象になりますから、そのような場合は「在宅医療」を受けることを考えてみましょう。

在宅医療とは、自宅や施設など暮らしの場で医療を受けることです。

たとえ病識はなくても、認知症の人が「どこか、何かおかしい」という感覚をもっていることは多いようで、医師が訪問して診察をするというと受け入れられやすい場合も多いのです。

とはいえ、在宅医療を提供するクリニック(在宅療養支援診療所)のすべてが認知症の人を診ることができるかというと、必ずしもそうではないので、先にもご紹介した地域包括支援センターに相談するか、学会認定専門医で訪問診療してくれるクリニックがないか、探してみるといいでしょう。

認知症は暮らしの障害ですから、生活の場である自宅や施設で診療することは、症状やその原因の理解をしやすいというメリットがあり、「認知症×訪問診療」は親和すると感じています。

内田 直樹 認知症専門医、医療法人すずらん会たろうクリニック院長、精神科医

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うちだ なおき / Naoki Uchida

医学博士。1978年長崎県南島原市生まれ。2003年琉球大学医学部医学科卒業。2010年より福岡大学医学部精神医学教室講師。福岡大学病院で医局長、外来医長を務めたのち、2015年より現職。福岡市を認知症フレンドリーなまちとする取り組みも行っている。日本老年精神医学会専門医・指導医。日本在宅医療連合学会専門医・指導医。編著に『認知症プライマリケアまるごとガイド』(中央法規)がある。

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