病院が「患者さま」と呼ぶのをやめ始めた深い事情 横行する「カスハラ」看護師の手を舐める患者も

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カスハラと患者の権利をどう考えたらいいのでしょうか(写真:佐久総合病院提供)

医療機関で「患者」のことを「患者さま」と呼ぶ習わしを見直そうという動きがある。

「患者さま」という呼称が一部の人の誤った権利意識を助長するほか、「病気を患った人」という意味の言葉に、「さま」という尊敬語を付けるのは適切ではないといった指摘を理由に、「患者さん」という呼び方に変える動きが一部の病院で出ている。

その背景にあるのが、医療現場での患者や家族などからの迷惑行為、いわゆる“カスハラ(カスタマーハラスメント)“の深刻化だ。

「患者さま」のきっかけは?

厚生労働省がまとめた「カスハラ対策企業マニュアル」では、カスハラを「顧客などからのクレームや言動のうち、手段・態様が社会通念上不相当な言動」と定義し、具体例として身体・精神的な攻撃(暴行・傷害)、威圧的な言動、土下座の強要、差別的・性的な言動などを挙げている。

病院では患者が顧客となるので、“ペイシェントハラスメント”と呼んだりもする。

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