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創業者・徳田虎雄なき「徳洲会」で進む原点回帰 都市部と離島の病院で実を結ぶ創業者の遺志

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グループ分裂の危機をはね返し、業績はV字回復。

湘南鎌倉総合病院の外観
湘南鎌倉総合病院の救命救急センターには救急車がひっきりなしに来る(撮影:大澤 誠)

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コロナ禍を経て、巨額赤字を抱えた病院の姿が露呈しつつある。本特集では、閉院が相次ぐ都市部や地方の実態に加えて、改革が成功し高成長を遂げた病院の実例など、医療の現場の今に迫る。

2022年9月、徳洲会グループを牽引する湘南鎌倉総合病院(669床)の院長に就いた小林修三は、事業計画書を見て愕然とした。計画は「赤字」で、莫大なツケを回されていたのだ。

湘南鎌倉では、2019年から約400億円を投じて先端医療センターや救命救急・外傷センターを建てる大増築が始まり、新棟が完成していた。だが、当時の月間28億円の医業収入では、月々ならして2億8000万円の減価償却費を差し引くと採算が取れなかった。

大規模投資が重荷に

小林は誰からも過剰投資の説明をされていない。コロナ禍のさなか、いきなり剣が峰に立たされたのである。小林は語る。

「何だ、これは、と驚いたけど、そこで経費を削ったら人心を失います。職員に収入を増やそう、84%の病床稼働率を95%以上にし、回転率も高め、『365日、24時間、救急患者を受け入れる』徳洲会の原点に戻ろうと呼びかけました」

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