競合する病院同士を集約化しなければ、医師が確保できない事態に。

統合計画が進む済生会兵庫県病院(写真左)と三田市民病院(写真右)(写真:編集部撮影)
コロナ禍を経て、巨額赤字を抱えた病院の姿が露呈しつつある。本特集では、閉院が相次ぐ都市部や地方の実態に加えて、改革が成功し高成長を遂げた病院の実例など、医療の現場の今に迫る。
兵庫県・三田市|市民病院が市外に移転
「病院が統合したら、家から遠なる。病院は近くにないと。運ばれている間に死ぬで!」
こう話すのは、兵庫県三田(さんだ)市の市民病院に通う70代女性。病院統合計画に反対する市民の一人だ。
三田市は、神戸市街地から北へ25キロメートルほどの盆地に位置する、人口約10万人の町だ。1980年代に建設されたニュータウンが広がり、三田市民病院はその一角に位置する。しかし2022年6月、市民病院が神戸市へ移転するという異例の計画がまとまった。
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