「病院の赤字」は努力不足なのか?7割の国立大病院が赤字のなか、広島大学病院が「10億円超の利益」を出せたワケ《病院長を直撃》

黒字が続く広島大学病院の経営を取材した(写真:広島大病院)
「国立大学病院の約7割が赤字」という危機的な状況に直面している日本。そのなかで異例の黒字経営を続け、10億円超の経常利益を上げた病院がある。広島大学病院だ。
なぜ黒字化が可能なのか、その独自の取り組みを取材した。
国立大学病院全体は285億円の赤字
JR広島駅からバスで15分。郊外に建つ広島大学病院は、病床数742床。地域の中核病院として、高度・救急医療のほか、臓器移植などにも取り組み、研究や教育の分野でも先陣を切る医療機関だ。
今年7月、国立大学病院の病院長でつくる国立大学病院長会議は、42ある国立大学病院全体の2024年度の経常赤字額が過去最大の285億円に達したと発表した(図)。
初めて赤字に転落したのは前年度で、その額は約60億円。2024年度はさらに赤字幅が拡大したかっこうとなる(※外部配信先では図を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

国立大学病院長会議 記者会見資料より
そんななか、同病院は10億円超の利益を生み出している。
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