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伊藤忠「純利益1兆円は遠くないが簡単ではない」 鉢村CFO「市況変動影響少ない持続的成長」貫く

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非資源を武器に躍進を遂げてきた伊藤忠商事。資源市況が沸騰する中で、5大商社で唯一の減益に陥ったが、さらなる成長の秘策はあるのか。

資源価格の乱高下の影響を受けにくい事業構造が特長。マーケットインの発想でコツコツ手堅く収益を積み重ねる(撮影:梅谷秀司)

特集「爆騰5大商社 CFOたちの遠謀」の他の記事を読む

「投資の神様」と言われるウォーレン・バフェット氏が来日し、5大総合商社株の保有比率引き上げを公言したのが今年4月。5大商社の株価は爆騰し、3月末に25兆円余りだった時価総額の合計は、9月12日時点で1.4倍の36兆円近くになっている。
総合商社は長年コングロマリットディスカウント(多くの産業を抱える複合企業の企業価値が下がること)に悩まされてきた。バフェット氏は総合商社のビジネスモデルを「わかりやすい」と言い切ったというが、一般の投資家にはその成長ストーリーを読み取ることは容易ではない。
資源市況の浮き沈みを乗り越えて、総合商社はなぜいま絶頂期を迎えたのか。熱狂はいつまで続くのか、5大商社CFO(最高財務責任者)に毎週直撃する。
最終回の第5回は伊藤忠商事。非資源分野に強く、市況変動による業績のブレが少ないのが特徴で、PBR(株価純資産倍率)は5大商社でトップを行く。が、資源市況が沸騰する中、2023年3月期の純利益は唯一の減益。手堅さと市場からの高い成長期待をどう両立させていくのか、鉢村剛CFOを直撃した。
【連載一覧】
第1回:9月19日(火)配信 丸紅 古谷孝之CFO
第2回:9月26日(火)配信 住友商事 諸岡礼二CFO
第3回:10月3日(火)配信 三井物産 重田哲也CFO
第4回:10月10日(火)配信 三菱商事 野内雄三CFO
※この記事は10月19日5:00まで無料会員登録でお読みいただけます。それ以降は有料会員向けとなります。

昨年度の実力値と比べると保守的な対応

――5月の決算発表時、2024年3月期は連結純利益7800億円の計画としていました。が、足元では円安が進み、資源価格も高水準で推移しています。

500億円のバッファも計画に織り込んでいることから、昨年度の実力値の8000億円から比べるとコンサバティブ(保守的)な対応をしている。当初は為替や資源の動向など経営環境は不透明で、下期に向け景気が悪くなるとの見通しを立てた。 

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