有料会員限定

伊藤忠の岡藤会長「海外リスク、円安、金利」に警鐘 現状のままでは「日本は永遠に縁の下の力持ち」

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 最新
拡大
縮小

伊藤忠の岡藤会長は、輸出拡大に当たって日本が抱える構造的問題を指摘する。経営の舵取りを担って13年。自身の「辞め時」についても語った。

岡藤氏は2010年に伊藤忠商事の社長就任以降、長年にわたって総合商社の存在意義を考察してきた(撮影:梅谷秀司)

特集「総合商社 国内回帰」の他の記事を読む

空前の好業績に沸く総合商社。だが、ひとたび経営環境に目を向けると、カントリーリスクなどの脅威が押し迫っている。
13年にわたって経営トップとして総合商社を見てきた重鎮、伊藤忠商事の岡藤正広会長CEOは、総合商社を取り巻く昨今の事業環境をどう見ているのか。

海外ビジネスの肝は着手段階での対策

――グローバル展開する総合商社はカントリーリスクが高まっています。

商社である限り、ビジネスにおける国内と海外の比重の掛け方は、その都度変えていかないとあかん。(カントリーリスクが高まったとはいえ)完全に海外を無視して国内だけでビジネスを展開するというわけにはいかない。多少リスクがあっても、海外でもビジネスをしていかなければならない。

先進国は法制度もしっかりしている。専制主義国家とか、ここが問題やな。社会主義国でも、ベトナムのような国では商売がうまくできているし、まだまだ可能性がある。

ビジネス展開しているその国の具合がおかしければ、それを早く察知し、早く対応することが大事。ビジネスに着手する最初の段階で、被害を最小限におさえるような契約を結ぶとか、仕組みを整備するとか、対策を講じておくことが大事やと思う。

――伊藤忠が得意といわれている、中国の先行きはどう見ていますか。

次ページ日本は技術一流、商売は二流
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
総合商社 国内回帰
「35年ぶり出店」の国内支店で地域共生打ち出す
ハイリスク、ローリターンといわれる洋上風力
地域課題である過疎化にどう対峙するのか
今期純利益は1兆円超え、問われる次の投資戦略
現状のままでは「日本は永遠に縁の下の力持ち」
マーケットインの発想で再エネ分野を強化
再エネや病院、給食事業の展開にアクセル
住友の事業精神「企画の遠大性」を貫けるか
モビリティーや再エネ事業に積極投資していく
出資先と緩やかな連合を形成、反撃態勢狙う
量子コンピューターも活用し次世代施設を開発
モビリティーシステムで過疎地域を変える
商社の社風と個性を仮面ライダーに例えて解説
匿名座談会、総合商社の「リアル」と「裏側」
事業投資で日本に活力を与えることができるか
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内