有料会員限定

三菱商事社長が断言「洋上風力は収益を出せる」 今期純利益は1兆円超え、問われる次の投資戦略

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 最新
拡大
縮小

資源高を追い風に、三菱商事の今期純利益は1兆円の大台を突破する見通しだ。キャッシュが積み上がる中、新鉱脈をどこに見いだすのか。

電力畑を長く担当した中西社長は、三菱商事の洋上風力事業について「(他社とは)ひと味もふた味も違う」と強調する(撮影:梅谷秀司)

特集「総合商社 国内回帰」の他の記事を読む

資源高が大きな要因となり、今2023年3月期の純利益は1兆1500億円(前期比22.7%増)と、過去最高を更新する見通しの三菱商事。2022年4月に就任した中西勝也社長は「今後も稼ぐ力を磨いていく」と意気込む。
秋田と千葉の3海域で洋上風力を「独占」したことでも耳目を集めた総合商社の雄は、一段成長に向けて次なる新鉱脈を掘り起こそうとしている。

エネルギー変革への投資を加速させる

――今期純利益は初めて1兆円の大台を突破する見通しです。

資源高と円安が追い風となっている。2022年4月に就任してから5月に中期経営戦略を発表し、その中で2025年3月期までの定量目標(連結純利益など)も公表したが、あまりにも世の中が変わり、資源価格については変動性が強いため、当初は目標数字に幅を持たすかたちで発表した。

ウクライナ問題などの地政学リスクに加え、(世界的に)金利も動きがあり、為替も振れ幅が短期の間に大きくなっている。こういった環境の中、自立的なグループ経営の強化を促す「循環型成長モデル」を通じて生産性・競争力をより高めて、きっちりとポートフォリオを意識しながら利益を出していくことを目指した。結果として、純利益が1兆円を超えるところまで来たのではないか。

来2024年3月期については、資源価格がどう動くか見えていないため、そういった動向を慎重に見極めつつ、今後も稼ぐ力を磨いていく。

――キャッシュが積み上がっていく中で、次の投資領域はどこに重点を置きますか。

次ページ200程度のEX案件を順位付け
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
総合商社 国内回帰
「35年ぶり出店」の国内支店で地域共生打ち出す
ハイリスク、ローリターンといわれる洋上風力
地域課題である過疎化にどう対峙するのか
今期純利益は1兆円超え、問われる次の投資戦略
現状のままでは「日本は永遠に縁の下の力持ち」
マーケットインの発想で再エネ分野を強化
再エネや病院、給食事業の展開にアクセル
住友の事業精神「企画の遠大性」を貫けるか
モビリティーや再エネ事業に積極投資していく
出資先と緩やかな連合を形成、反撃態勢狙う
量子コンピューターも活用し次世代施設を開発
モビリティーシステムで過疎地域を変える
商社の社風と個性を仮面ライダーに例えて解説
匿名座談会、総合商社の「リアル」と「裏側」
事業投資で日本に活力を与えることができるか
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内