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三菱商事「デジタル活用の街づくり」推進の狙い 地域課題である過疎化にどう対峙するのか

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三菱商事は熊本県の八代市でデジタル活用の実証実験を進めている。スマホツールの「デジタル回覧板」を皮切りに、地域ビジネスについて事業領域の拡大をもくろむ。

三菱商事が構築するデジタル回覧板
三菱商事が連携協定を結ぶ熊本県八代市に導入したデジタル回覧板(記者撮影)

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「市の人口は毎年約1000人ずつ減っている。地方の最大の課題は、人口減少にともなう地域経済の低迷だ。放置はできない」。熊本県八代市の村上理一政策審議監は言う。

八代市は、熊本市に次ぐ県内第2の都市で、人口約12万人。トマトの生産量は日本一を誇る。同市は2021年に「スマートシティやつしろ」を掲げ、デジタルを活用した街づくりに取り組んでいる。

2022年2月には、八代市は三菱商事と包括連携協定を結び、「デジタル技術の活用による地域コミュニティの活性化及び安全・安心なまちづくり」を新たに掲げた。

その連携協定の一環で導入されたのが、三菱商事がデジタルツールとして展開する「デジタル回覧板」だ。町内会の回覧板をスマホのアプリにしたものだ。

安否確認ツールとしても活用

アプリに登録した住民には、各地区の区長(町内会長)や学校などからの連絡が一斉に配信される。区内の行事、老人会や子ども会、消防団の連絡などに使用されることが多い。住民がメッセージを読むと、そのメッセージファイルに「既読」がつくため、住民の安否確認のツールとしても使用できる。

2022年11月から実証実験が始まり、市内の6つの町内会や小中学校のPTA、消防団などが参加している。

「『生ゴミの収集車が明日突然来られなくなった』と役所から連絡があり、自治会の役員3人で急遽地区内を全部回って、周知文を投函したこともある。デジタル回覧板が浸透すれば、こういった緊急時にも、一瞬で全戸に周知できる」。八代市鏡町外出地区の岡田喜一区長はこう話す。

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