三菱商事と三井物産、最高益で問われる真の実力 ヘルスケア事業など「非資源分野」の育成を急ぐ
純利益1兆円超え予想の三菱商事をはじめ、5大商社は2023年3月期の業績予想を相次ぎ上方修正した。資源高の追い風もある中、「資源一本足打法」と指摘されていた三井物産はヘルスケア事業の育成に力を注ぐ。
5大総合商社の今2023年上半期(2022年4月~9月期)の決算が11月8日に出そろった。好業績が並ぶ中で、個社別で見ると中長期的な課題が浮き彫りになった決算だった。
最も注目されたのは、三菱商事だ。資源市況や為替の影響などを加味し、2023年3月期の純益見通しを従来予想の8500億円から1兆300億円(前期比9.9%増)に上方修正した。実現すれば、商社業界初の「純益1兆円超え」になる。
ただ、上方修正した1800億円のうち、為替効果は875億円にのぼる。11月8日の決算会見に臨んだ三菱商事の中西勝也社長は、「実力値(為替や資源市況の要因を除いた純利益)は上がってきているが、満足はしていない。
2022年3月期については純益9375億の実績だったが、実力値は6000億円だった。今回決算の実力値は(1兆300億円の純益予想に対し)6500億円にしか上がっていない。反省すべきだ」と語った。
もとより資源高などによる好決算は悪いことではない。それでも市況や為替要因を除いた「実力ベース」で積み増した利益が500億円にとどまることに、中西社長は不満さえ吐露したのだ。
三菱商事の「純益1兆円超え」は保守的
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