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伊藤忠社長が明かす「蓄電池ビジネス」攻略の野望 マーケットインの発想で再エネ分野を強化

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エネルギーの安定供給や脱炭素化が注目を集める中、蓄電池ビジネスに力を注ぐ伊藤忠。事業拡大へ次の一手をどう打つのか、石井社長に聞いた。

伊藤忠商事の社長応接室には、石井社長が好きなビートルズやローリングストーンズといった海外ロックバンドのレコードジャケットが飾られている(撮影:梅谷秀司)

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資源価格の高騰を追い風に、業績好調に沸く総合商社。ただ、売上高に占める資源の比率が比較的小さい伊藤忠商事には、その高揚感は見られない。
伊藤忠内に焦りはないのか。また、世界情勢の不確実性が高まる状況下、得意の蓄電池ビジネスなど、脱炭素化に向けた取り組みをどう展開しようとしているのか。石井敬太社長を直撃した。

日本の盤石ではない側面が浮かび上がった

――総合商社の中には、今期の純利益が1兆円を超える見通しとなる会社も出てきています。伊藤忠の社内に焦りはありませんか。

ロシアのウクライナ侵攻もあり、今期は少し異常だった。サプライチェーンが壊れてしまい、誰も予想しなかったレベルにまで資源価格は上がってきた。売上高に占める資源の比率が高い商社さんは、資源価格が想定以上のハイレベルな値段になったので、上積み効果が出ている。

当社は(繊維事業を祖業とする)歴史から、資源分野(への投資)を積み重ねていないので、ここのところの収益の積み増しがなかった。ただ、これは当初からわかっていたこと。伊藤忠も前2022年3月期までは一過性の利益がけっこうあったが、それを除いた基礎収益力については、今2023年3月期はかなり上がっている。自分たちのできることを積み上げていくという成果は着実に出ている。

――国内事業の中核を担うファミリーマートを管轄する第8カンパニーも、組織体制を強化します。国内市場をどう見ていますか。

日本市場はおもしろいと思っている。ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、デジタル化の遅れやエネルギー安全保障、食料安全保障など、日本の意外と盤石じゃない側面が浮かび上がったのではないか。

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