有料会員限定

丸紅「先人の赤字案件」を断ち切り復活の明快戦略 古谷CFO「覚悟を決めウミはすべて出し切った」

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

過去最悪の赤字決算から復活を遂げた丸紅。そこから得た教訓は大きい。

ROE20%超は5大総合商社の中でトップをいく(撮影:尾形文繁)

特集「爆騰5大商社 CFOたちの遠謀」の他の記事を読む

「投資の神様」と言われるウォーレン・バフェット氏が来日し、5大総合商社株の保有比率引き上げを公言したのが今年4月。5大商社の株価は爆騰し、3月末に25兆円余りだった時価総額の合計は、9月12日時点で1.4倍の36兆円近くになっている。
総合商社は長年コングロマリットディスカウント(多くの産業を抱える複合企業の企業価値が下がること)に悩まされてきた。バフェット氏は総合商社のビジネスモデルを「わかりやすい」と言い切ったというが、一般の投資家にはその成長ストーリーを読み取ることは容易ではない。
資源市況の浮き沈みを乗り越えて、総合商社はなぜいま絶頂期を迎えたのか。熱狂はいつまで続くのか、5大商社CFO(最高財務責任者)に毎週直撃する。
第1回目は、長年業績の重しだったガビロン売却を断行。現在、ROE(自己資本利益率)で5大商社トップの20%を超える丸紅の成長戦略を古谷孝之CFOに聞いた。

【今後の配信予定】
第2回:9月26日(火)配信 住友商事 諸岡礼二CFO
第3回:10月3日(火)配信 三井物産 重田哲也CFO
第4回:10月10日(火)配信 三菱商事 野内雄三CFO
第5回:10月17日(火)配信 伊藤忠商事 鉢村剛CFO

※この記事は9月21日5:00まで無料会員登録でお読みいただけます。それ以降は有料会員向けとなります。

「なぜこんな決算を余儀なくされたのか」

――総合商社の好業績の背景に、最近のリスクマネジメントの変化もあると感じます。

 僕が入社した1980年代から2000年代にかけて丸紅のビジネスモデルはトレードから事業投資へと確立してきた。いまから思うと効果や実効性にクエスチョンだったリスクマネジメントは進化し、ここ2~3年で財務体質、収益基盤は改善された。

次ページガビロンの売却を決断した背景
関連記事
トピックボードAD