2025年も「食品値上げラッシュ」の厳しい現実。人件費や物流費増は不可避。値上げは止まらない?

「あれ、こんなに買ったつもりはなかったのに」――。スーパーの会計時に金額を見て、こう驚いた消費者も多いのではないだろうか。
近年、消費者が苦しんできた食品の値上げ。2025年はまたラッシュが起きそうだ。信用調査会社・帝国データバンクが食品主要195社を対象に行った調査によれば、今年9月までに予定されている値上げ品目数は累計1万1707品目(3月31日時点)。すでに前年実績(1万2520品目)の9割超に達した。
帝国データバンク情報統括部の飯島大介氏は「今春のペースが続けば年間で2万品目前後に到達すると予想されるが、情勢次第では約2万5000品目まで上振れる可能性も否定できない」と分析する。
値上げの理由に変化
2025年に値上げが計画されているのは、冷凍食品や調味料、菓子や乳製品、食用油など食品全般。これに加え、ビールやチューハイなどの酒類、果汁飲料やコーヒーなどでも実施される。

これまでの値上げと異なるのは、その理由の複雑さだ。厳しいラッシュが始まった2022年や2023年は、小麦や大豆・菜種を中心とした原材料、電気・ガスなどのエネルギーコストの上昇や、急速に進んだ円安が値上げの要因だった。
続く2024年は、これらの影響がいったん落ち着き、ラッシュは緩やかに収束するとみられた。だが、労働力不足や賃上げ圧力による人件費の上昇、2024年問題に端を発する物流費の増加が徐々に各社を襲い始めた。
この記事は有料会員限定です。
(残り 1246文字 です)
【4/30(水)まで】 年額プラン2,000円OFFクーポン 配布中!
詳細はこちらから
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら