一進一退の状況が続く都心のオフィス市場だが、長期的には需要縮小が避けられない。

(写真:K@zuTa / PIXTA)
コロナ禍を経て大型ビルの顧客獲得競争が激しさを増している。一方、都心の再開発による大量供給はとどまるところを知らない。
『週刊東洋経済』11月25日号の特集は「不動産・オフィス大余剰」。湾岸エリアの泥沼や麻布台ヒルズの苦戦、大阪 vs. 福岡、ESGバブル、ゼネコン事故、神宮外苑開発など、日本の不動産・オフィスの最前線を追った。
「造ればいずれは空室が埋まる」。不動産関係者の間でそう言われるなど、コロナ前までオフィスビルは収益を生み出す安定資産の代名詞だった。
ところがコロナ禍を経て、新築の大規模ビルを中心に、オフィスの長期空室の懸念が顕在化しつつある。大手デベロッパー幹部は「オフィスビルを造れば埋まる時代は終わった」と口をそろえる。
下図「2023年末時点の東京23区のオフィスストック」を見てほしい。
調査会社のザイマックス不動産総合研究所によれば、東京のオフィスストックは賃貸面積ベースで1311万坪に上る。そのうち大規模ビルが704万坪と54%を占める。とくに築20年未満の大規模ビルは供給量が多く、300万坪を超えている。
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