専門家が「子どもでもわかる」ように解説! ロシアによるウクライナ侵攻の背景にある"冷戦時代"の記憶

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今、世界で大きな戦争をしているのが、ロシアとウクライナという国です。2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻して戦争が始まりました。そして現在も、激しい戦争が続いています。

日本をはじめとして多くの国は、ロシアに侵攻されたウクライナへの支援を行っています。約190カ国が加盟する国連(国際連合)のルール「国連憲章」では、「加盟国の武力による威嚇又は武力の行使」が禁じられています。そのため、国際社会では、ロシアの侵略行為が違法とされ、多くの非難が集まっているのです。

ただ、政治的な思想のつながりや経済的なつながりから、ロシア側につく国もあります。戦争の理由がさまざまであるように、両国を取り巻く国の思惑もさまざまであるのです。

なぜ戦争が起こるのか。その答えを、ロシアとウクライナの戦争を例に探っていきましょう。

ロシアは「ソ連のリーダー」だった

ロシアはユーラシア大陸の北部にある、アジアとヨーロッパにまたがる国です。国土面積は日本の約45倍で、世界最大です。国土には豊富な天然資源があり、中でも石油や天然ガスの埋蔵量は世界トップクラスで、ヨーロッパをはじめ世界各国に輸出されています。

ロシアは元々、皇帝が治めるロシア帝国という国でした。ロシア帝国では皇帝の権力が強く、かねてより国民の不満が高まっていました。

1914年に第1次世界大戦が始まると不満がピークに達し、1917年の革命でロシア帝国が崩壊しました。その中でレーニン率いる共産党が政権を握り、1922年、ロシアを中心とするソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)が生まれました。当時のソ連を構成していた国の1つがウクライナです。

第2次世界大戦後、ソ連は東ヨーロッパの国々も従えて、アメリカや西ヨーロッパ諸国と対立し、核開発や宇宙開発などを進め、アメリカと並ぶ大国になります。しかし、徐々に経済が行きづまり、1991年にソ連は崩壊。ロシアと、ウクライナを含む14の独立国家に解体されてしまいます。

ところが、2000年にロシアの大統領に就任したプーチンは、強いリーダーシップを発揮し、旧ソ連の国々への影響力を取り戻そうとしています。ロシアのウクライナ侵攻には、こうした背景があることを知っておきましょう。

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