夫のきょうだいが敵に?相続で妻が迎えた結末 子のいない夫婦は遺言を残しておくべき理由
近年、遺言作成に関するご相談、ご依頼が急増しています。それだけ遺言に対する興味関心、つまりは終活への意識が高まっている表れなのでしょう。相続トラブルについて、メディアや身の回りの体験談などを通じて見聞きすることが増えてきたことも一因だと考えています。
私はよく「遺言は親のマナーですよ」とお伝えしています。残された配偶者や子どもたちが、相続で争うことがないように、ご自身の財産には必ず宛名を付けておいていただきたいです。
“きょうだいは他人の始まり”とはよく言ったもので、幼い頃はおやつを奪い合った最強・最大のライバルが数十年の時を経て、今度は親の財産をめぐり骨肉の争いを始めるのです。親という太陽がいなくなった途端、きょうだいたちが他人と化してしまう現実を私は嫌というほど見てきました。
遺言はどんな人が作るべき?
結論から申し上げると、一人っ子のご家庭“以外”はすべて作るべきです。
では、なぜ一人っ子のご家庭は遺言を作る必要性がそれほど高くないかと言うと、両親が順番に亡くなっていくわけですが、遺言がなくとも結果的にその一人の子どもがすべての財産を相続することになりますし、もめることがない(もめる相手がいない)からです。
一方で、こんな人は特に作るべし!というのが「おひとり様(法定相続人が誰もいない人)」や「子どもが2人以上いる人」さらには「相続人の中に認知症や知的障害の方がいる人」などが挙げられますが、今回事例を交えてご紹介したいのが「子どもがいないご夫婦」です。
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