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AIは「男性目線」なのか?AIが普及する世界から“女性が取り残されない”ために必要なこと。セールスフォースの平等戦略トップに聞く

セールスフォース上級副社長兼チーフ・イクオリティ&エンゲージメント・オフィサーとして、平等戦略促進と人材開発に従事するアリー・シーゲル氏。前職のエクスペディア・グループでは、D&Iの責任者を務めた(撮影:尾形文繁)
爆発的な勢いで進化するAI。今年は個人だけでなく、仕事でもAIエージェント(ユーザーの目的達成のために自律的に動くAI)を利用する場面が増えそうだ。
こうした中、海外ではAIの開発や活用において、女性を含めたマイノリティの視点が反映されていることへの関心が高まっているという。AIが普及する世界で、女性が「取り残されない」ために必要なことは何か。アメリカの顧客管理ソフト(CRM)大手、セールスフォースでチーフ・イクオリティ&エンゲージメント・オフィサーを務めるアリー・シーゲル氏に聞いた。
女性のほうが仕事でAIを使わない?
――東京でほかのテクノロジー企業で働く女性を集めて、「女性とAI」というトークショーを開いたそうですね。
「平等(イクオリティ)」は、長年にわたって弊社の中心的な価値観の1つとなっている。私が10年前に立ち上げたイクオリティを促進するチームはこれまで多くの取り組みを行ってきた。
その中の1つが、「Trailblazing Women(先駆者女性)サミット」で、何年にもわたって世界中でイベントを開催している。興味深いのは、ここへきて「女性とAI」についての重要な議論が求められ始めていることだ。
ある調査によると、女性は日々の仕事の中でAIを活用する可能性が男性よりも低い傾向があるという。一方、AIが未来であることも私たちは知っている。実際、別の調査によると、将来的に成功する人とそうでない人を分ける要因は「AIリテラシー」だという結果が出ている。
こうした中で、女性たちが取り残されず、AIが提供する機会にきちんと関わり、参加できるようにする必要がある。同時に、AIやAIエージェントが女性を念頭に置いて設計されるように、女性たちが(AI開発などの)意思決定に関わっている状態を確保することも重要だ。
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