能力があるのに「自信がない」女性が直面する不合理な現実。《なぜ女性は自信を持てないのか?》 「出しゃばりたくない」が作る壁

職場における「女性と男性の違い」
ニューヨークで働く次のふたりの話から考えてみよう。
私の女友達であるAさんは、ふたりの20代社員を指導していた。ひとりは女性のレベッカ、もうひとりは男性のロバートだった。
ロバートはその仕事についてたった数カ月だったが、すでに私たちの友人であるBさんのオフィスにアポイントメントなしで立ち寄り、新しい広告キャンペーンを打診したり、ビジネス戦略について意見を述べたり、そして最近読んだという『エコノミスト』の記事について求められてもいない意見を述べたりしていった。
最初は戸惑っていたBさんだが、たびたび、ロバートのアイデアにダメ出しをし、誤解を正し、そしてさらなる調査をするよう告げている自分に気づいた。
ロバートはいつも「おやすい御用です」と答えた。時には反論することもあったが、たいていはロバートはニヤリと笑って、肩をすくめながら自分のオフィスに戻った。
そして数日後には、さらにたくさんのアイデアを携えて戻ってきた。たとえ、「あの件に関してはまだやっている最中です」としか言うことがなくても、状況をアップデートしに来た。
上司であるAさんは、ロバートがいかにたやすく、そして積極的にBさんと関わるようになったかに驚いた。また、その行動が、すでに数年、Bさんと一緒に働いているレベッカとかなり違っていることに。