「家庭でも職場でもない場所」が自分をラクにする。イギリス在住のベストセラー作家・ブレイディみかこさんが考える"他者とのつながり方"

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本文①ブレイディみかこさん(撮影:)
(撮影:梅谷秀司)
他者の靴を履く。それは他者について想像を巡らし、楽しみや喜び、痛み、悲しみを理解しようとすること。100万部突破の書籍『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者でイギリス在住のブレイディみかこさんは、自分とは異なる他者の立場を理解しようする「ENPATHY」の大切さを、ことあることに口にする。
新刊『SISTER“FOOT”EMPATHY』で綴った、“自分をもっとラクにするつながり方”とは――。インタビューを2回にわたってお届けする(今回は後編です)。
【前編を読む】作家ブレイディ氏の貧乏時代"言えなかった"記憶

「苦しい」と言えない社会を変える解決策

――「苦しい」と言えない社会を変える、みかこさんが考える解決策というのは?

居場所を作るってことです。私、何回も言っているんですけど、「サードプレイスが大事」って。家庭でもなく、職場でもなく、それこそ「いつもの」人間関係や自分の立場から自由になる。そういう場所がどうしたって日本には必要なんですよ。

サードプレイスについて研究した学者が言うには、「サードプレイスが多い国って、民主主義が発達する」らしいんですよ。誰もがフランクに話し合える場所って民主主義にとっても大事で、それはSNSみたいに言葉を投げ合って「いいね」みたいな数値化された評価を競い合う場とは違いますよね。そこには「競争」じゃなくて、「社交」があります。

イギリスだと、パブがサードプレイスになっていますよね。パブって、Public House(公共の家)っていうのが正しい名称ですが、まさにその名の通りで、イギリス人は仕事が終わったらそこに集まって、仕事や家庭から離れてちょっと自由になるんです。

【写真】自分をもっとラクにするつながり方について語ってくれたブレイディみかこさん
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