「家庭でも職場でもない場所」が自分をラクにする。イギリス在住のベストセラー作家・ブレイディみかこさんが考える"他者とのつながり方"
「苦しい」と言えない社会を変える解決策
――「苦しい」と言えない社会を変える、みかこさんが考える解決策というのは?
居場所を作るってことです。私、何回も言っているんですけど、「サードプレイスが大事」って。家庭でもなく、職場でもなく、それこそ「いつもの」人間関係や自分の立場から自由になる。そういう場所がどうしたって日本には必要なんですよ。
サードプレイスについて研究した学者が言うには、「サードプレイスが多い国って、民主主義が発達する」らしいんですよ。誰もがフランクに話し合える場所って民主主義にとっても大事で、それはSNSみたいに言葉を投げ合って「いいね」みたいな数値化された評価を競い合う場とは違いますよね。そこには「競争」じゃなくて、「社交」があります。
イギリスだと、パブがサードプレイスになっていますよね。パブって、Public House(公共の家)っていうのが正しい名称ですが、まさにその名の通りで、イギリス人は仕事が終わったらそこに集まって、仕事や家庭から離れてちょっと自由になるんです。


















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