仕事ができるわけでもないのに人間関係のコントロールだけは巧みな「サイコパス社員」が出世してしまうという、成果主義の残念な末路

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
不敵に微笑むスーツを着た男性
過剰な成果主義は、自分の成果だけを得られれば良いという空気を醸成し、サイコパスが暗躍する土壌を作ります(写真:mits/PIXTA)
20人に1人の割合で存在すると言われるサイコパス。彼らはあなたを破滅に追いやり、職場を生き地獄に変える。サイコパスはこの世界をどのように見ており、あなたを含めた他人についてどのように考えているのだろうか?
日本語版が2025年8月に刊行された『サイコパスから見た世界:「共感能力が欠落した人」がこうして職場を地獄にする』について、ジャーナリストの佐々木俊尚氏に話を聞いた。2回にわたってお届けする。

振り返るとサイコパスがいる

サイコパスから見た世界: 「共感能力が欠落した人」がこうして職場を地獄にする
『サイコパスから見た世界』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

いちばん驚いたのは、サイコパスは20人に1人もいるという話です。サイコパスと言えば、犯罪者もしくは超優秀な経営者というイメージで、存在していても一般の人には縁がないと思われていました。ところが、意外に身の回りにいるんですね。

自分の新聞記者時代をふり返ると、確かに当てはまる人が思い出されます。

仕事ができるわけでもないのに、人間関係のコントロールだけは巧みで、他人を自分の支配下に置きたがる人。部下や同僚の手柄でも、とにかく自分のものにしたいという欲望の強い人もいましたね。

そういう人は、上からの覚えはめでたいものです。上に取り入るのが上手で、下を踏みつけることには何の躊躇もない。思い出すと、過去の嫌な思い出が噴き上がってくる本でもありました(笑)。

次ページネット時代とサイコパス
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事