
慢性腎臓病が日本人に増えている理由とは?(写真:Jo Panuwat D/PIXTA)
昔といまを比べると、腎臓病の常識は大きく変わりました。たとえば、以前は「腎臓が弱い人は運動なんかしないで安静にしているほうがいい」「腎臓病になったら非常に厳しい食事制限に耐えなくてはならない」「腎臓病はいったん悪くしたらよくならない」といったことが当たり前とされていました。
しかし、これらはすべてウソ。いまは腎臓病の人も適度な運動をするほうがいいとされていますし、食事もちょっとした工夫で普通の人と変わらないものが食べられるようになっています。もちろん「腎臓病はよくならない」というのも誤りで、「腎臓リハビリ」というメソッドを実行すれば、着実に進行を抑えたり病状を回復させたりできるようになっているのです。
この「腎臓リハビリ」のメソッドの提唱者として、従来の腎臓治療の“誤った常識”を大きく変えてきたのが上月正博・東北大学名誉教授。上月教授は、新著『腎臓大復活』の中で、腎機能を強化して人生をよみがえらせていくためのノウハウを惜しみなく紹介しています。
以下では、その上月教授が「腎機能低下を進ませてしまう最大のリスクファクター」について解説します。
成人の5人に1人が慢性腎臓病になっている
日本における成人の慢性腎臓病患者(CKD)は約2000万人とされています。この数字は、成人の5人に1人が慢性腎臓病に罹っていることを示すもの。すでに立派な「国民病」になっていると言っていいでしょう。
それにしても、いったいなぜこんなに大勢の人が腎臓を悪くしているのでしょう。みなさんは、国民病と言われるほどにこの病気が日本人に増えてしまった理由をご存じでしょうか。
その答えをズバリ申し上げると、慢性腎臓病が増えた最大の理由は「日本人が長生きになったから」。世界一の長寿国になったことが、患者人口をふくらませる大きな要因になっているのです。
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