「住みたい街ランキング」常連、渋谷から5分の《三軒茶屋》はなぜ人気が落ちたのか…歩いてわかった"おしゃれな街"から"使われる街"に変わった訳

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三軒茶屋
「おしゃれな街」というイメージがある三軒茶屋だが、果たしてその実態は……(写真:Ryuji / PIXTA)
「三軒茶屋って、おしゃれな街だよね」「中目黒は意識が高そう」「高円寺は自由人ばかり」──。東京の街には、いつの間にか定着した“イメージ”がある。だが訪れてみると、その印象は意外と違うことも多い。
本連載『東京偏見散歩』では、そんな偏見(=ステレオタイプ)を入り口に、実際に街を歩き、文献資料も参照しながらその実像を探っていく。
今回歩いたのは、「住みたい街ランキング」の常連でもあった三軒茶屋。渋谷駅から5分のこの街は、いつの間にかその“役割”を変えつつあった。

「三軒茶屋=おしゃれ」は事実か、偏見か

三軒茶屋といえば、洗練されたカフェや古着屋が点在し、夜な夜な高感度な人々がバルに集う「おしゃれな街」というイメージを持つ人は多いだろう。SNSでも、「渋谷に飽きた大人の隠れ家」「ツウな大人が通う街」といった言葉をよく見かける。

一方で、実際に三軒茶屋を訪れてみると、その印象は少し異なる。駅前にはチェーン店が並び、居酒屋が密集する“三角地帯”と呼ばれるディープなエリアもすぐ目に入る。

取材に同行した三茶歴7年の担当編集によると、「三軒茶屋住みだと話すと『おしゃれなトコに住んでますね〜』と言われることが多いけれど、住民としてはそんな気はしない。むしろ、恵比寿や中目黒とかのほうがおしゃれじゃないですか?」と話す。世間で語られるイメージと、住民の実感の間には少なからずズレがありそうだ。

メディアが作り上げた「憧れの三茶」と、住民が感じる「本物の三茶」。三軒茶屋は今、どのような街になっているのか。まずは現地に赴き、街歩きの写真とともにその成り立ちを振り返ってみたい。

三軒茶屋駅
開通100周年となる東急世田谷線の三軒茶屋駅はレンガ調のレトロな外観。東急田園都市線も乗り入れており、渋谷や中央林間、下高井戸方面にもアクセスが可能(写真:筆者撮影)
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