建築会社や不動産会社などが毎年発表する「住みたい街ランキング」。トップテンの顔ぶれを眺めると、常連の吉祥寺や恵比寿、新宿、目黒、最近だと北千住や大宮なんかも人気だ。しかし、どれも「まぁそうだろうな」と思えるような街ばかり。
この連載では、住みたい街ランキングにはなかなか登場しないけれど、住み心地は抜群と思われる街をターゲットに定め、そこを実際に歩き、住む人の声と、各種データを集めてリポート。そして、定番の「住みたい街」にはない、「住むと、ちょっといい街」の魅力を掘り起こしていく。
今回は、東急池上線の「洗足池駅(東京都大田区東雪谷1-1-6)」界隈だ。駅は地域のシンボルともいえる「洗足池」の目の前に位置する。
洗足池あっての「池上線」
池上線は、大田区の池上にある「池上本門寺」を参拝する人たちのために計画された路線とされる。
また、池上という地名は、洗足池のほとりに鎮座する「千束八幡神社(大田区南千束2-23-10)」に縁がある。
承平5年(935年)に起こった平将門の乱を平定するため、都から派遣された藤原忠方が、そのままこの地に館を構えて八幡神社を氏神として祀った。これが、池の上手に立地したことから忠方は池上氏を名乗ったという。
要するに、現在まで残る「池上」の地名は洗足池が由来となっているわけだ。つまり、池上線は洗足池あってこその路線名となる。
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