建築会社や不動産会社などが毎年発表する「住みたい街ランキング」。トップテンの顔ぶれを眺めると、常連の吉祥寺や恵比寿、新宿、目黒、最近だと北千住や大宮なんかも人気だ。しかし、どれも「まぁそうだろうな」と思えるような街ばかり。
この連載では、住みたい街ランキングには決して登場しないけれど、住み心地は抜群と思われる街をターゲットに定め、そこを実際に歩き、住む人の声と、各種データを集めてリポート。そして、定番の「住みたい街」にはない、「住むと、ちょっといい街」の魅力を掘り起こしていく。
今回紹介するのは東京都荒川区「尾久」だ。
駅は北区だけど、街は荒川区
JR東日本 東北本線を利用すると、上野の次が「尾久駅」だ。東京のど真ん中と言っていい。しかし、知名度はかなり低い。「尾久」と書いて「おく」と読むのだが、荒川区民ですら知らない人も多い。
JR尾久駅から、隅田川に挟まれた場所に広がるのが、今回ターゲットにしたエリアだ。地図上に赤くマーキングした辺りを歩いた。地名で示すと、東京都荒川区西尾久から東尾久にかけての界隈となる。
レポートに入る前に、尾久の地名と駅名について、若干ややこしい事情があるので、少しだけ解説する。
繰り返すが、尾久は、荒川区の地名だ。しかしJR尾久駅は北区に位置する。駅の北口を出て、明治通りを過ぎるとすぐに北区と荒川区の境界をまたぐことになる。そこから先が地名でいう尾久だ。
さらに、駅名は「尾久駅(おくえき)」だが、地名の方は場合によって「おぐ」と発音されることもある。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ライフの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら