ところが、最近は勤め人も増えて、工場の跡継ぎも不足しているから、商店街の様子も少しずつ変わってきた。それにモノの値段がどんどん上がっているだろ。だから商売がやりづらくなっているというのもあるね。
うちのブレンドコーヒーは400円だけど、メディアとかであんまり紹介されたくないんだ。どうしてかと言うと、すぐにでも値上げしたいんだよ(笑)。本当は600円くらいの値をつけたい。豆の値段がここ10年で倍くらいになってるからね。だから値段のことは小さく書いてね(笑)」
そんなご主人に街の魅力を聞くと、
「東京の真ん中だから、交通のアクセスはいいですよ。どこに行くにも時間はかからないし、例えば池袋なんかで飲んでたとして、終電を逃しても、タクシーで3000円くらいで帰って来ることができる」
実際に調べてみた。
都内の主要な場所のどこに行くにも、1時間以内で400円以下。生活するには、かなりポイントが高いと言える。
「そんな立地なのに、緑が多い。これも魅力だね」とご主人が言う通り、界隈には「西尾久八丁目緑地」「尾久八幡公園」「西尾久四丁目公園」「荒川区 尾久小公園」「尾久の原公園」などがあり、少し足を延ばして、荒川沿いまで行けば、河川敷一帯に緑地が広がる。朝夕は犬の散歩やジョギングを楽しむ近隣住民の姿が見られるという。
目に見えてわかる犯罪の少なさ
前述の通り、尾久地区は家賃が安い。そのため、近年では若い夫婦も増えているという。今回歩いたエリアには「至誠会第二保育園(東尾久5-34-6)」や「ピノキオ幼児舎東尾久保育園(東尾久3-27-7)」など、保育園・幼稚園が5つ。小学校は2つだ(どれも筆者調べ)。子育てにも適している。
また、このエリアは下町の香りが残っていることもあり、住民同士の結びつきも強い。そのため、犯罪が少ないことも「住むとちょっといい街」のポイントだ。
見ての通り、今回紹介するエリアはおおむね平和だ。ちなみにお隣台東区上野はどうかというと、上野駅近くの上野6丁目の数字は以下の通りである。
巨大繁華街の上野駅付近と比較するのは少し乱暴だが、これを見ると尾久の平和ぶりがわかる。
そして、生活するうえで外せないのが健康管理だ。今回歩いたエリアには、「宮の前診療所(西尾久2-3-2)」「冨田医院(東尾久5-39-13)」など、地域密着のクリニックが都営荒川線沿いに点在。また同沿線の宮ノ前駅からの徒歩圏内に「令和あらかわクリニック(荒川区西尾久2-1-10)」もあり、地域の健康を見守っている。地域全体として、病院・クリニックの分布状況は良好だ(どれも筆者調べ)。
【2024年10月5日22時40分追記】初出時、クリニックの名前に誤りがあったため、上記のとおり訂正いたしました。
この他にも、かつてあった「尾久温泉」の面影を残す町並みや、地域密着のテーマパーク「あらかわ遊園(西尾久6-35−11)」など、尾久は住むだけでなく、観光地としても魅力のエリアだ。住む、住まないは別として、一度出かけてみてはいかがだろう。
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