建築会社や不動産会社などが毎年発表する「住みたい街ランキング」。トップテンの顔ぶれを眺めると、常連の吉祥寺や恵比寿、新宿、目黒、最近だと北千住や大宮なんかも人気だ。しかし、どれも「まぁそうだろうな」と思えるような街ばかり。
この連載では、住みたい街ランキングにはなかなか登場しないけれど、住み心地は抜群と思われる街をターゲットに定め、そこを実際に歩き、住む人の声と、各種データを集めてリポート。そして、定番の「住みたい街」にはない、「住むと、ちょっといい街」の魅力を掘り起こしていく。
今回訪れた岩淵町は、東京都北区の端、荒川沿いの街だ。川を渡れば埼玉県川口市である。中心を旧道が通る歴史の深い街だ。
歓楽街の赤羽まですぐだけど静まりかえった街
筆者は九州の片田舎の出身だ。上京する前は、「東京とは、どこもかしこも新しくてピカピカした街なのだろう」と考えていた。
当たり前だけれど、間違いだった。どんな土地にも歴史がある。
今回散策した岩淵町は、かつての宿場町だ。江戸時代に徳川将軍が日光東照宮に参拝する際に利用した、日光御成道の第一の宿場「岩淵宿」があった。
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