
末並俊司さんの人気連載「首都圏、住むとちょっといい街」。今回は立会川駅周辺エリアを散策します。なお、写真は浜川橋(通称なみだ橋)。罪人たちはここを渡って鈴ヶ森刑場に連れて行かれました(筆者撮影)
「この商店街は発展しようにも、やりようがないんだよ」
駅前から連なる商店街の、ある店主はそう語った。界隈を歩いて話を集めていくと、その理由が見えてきた。
この連載では、一般的な「住みたい街ランキング」には登場しないけれど、住み心地は抜群と思われる街をターゲットに定め、実際に歩き、住む人の声と、各種データを集めてリポート。定番の「住みたい街」にはない「住むと、ちょっといい街」の魅力を掘り起こしていく。
かつて坂本龍馬のいた街
京浜急行の立会川駅(東京都品川区東大井2-23-1)、品川から急行に乗ると2駅目だ。
駅前から東西に伸びる商店街の入り口では坂本龍馬像が出迎えてくれる。
かつて、この界隈には土佐藩の鮫洲抱屋敷(かかえやしき)があり、敷地内には浜川砲台が築かれていた。黒船来航で江戸中が大騒ぎの頃、当時19か20歳くらいだった龍馬も、守りを固めるためにこの地に赴任していたといわれる。この史実にあやかって、商店街には「立会川龍馬通り 繁栄会」の横断幕が張られている。

駅前から続く商店街の入り口にある坂本龍馬像(筆者撮影)

「立会川龍馬通り 繁栄会」の横断幕(筆者撮影)
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