
末並俊司さんの人気連載「首都圏、住むとちょっといい街」。今回は大田区・雑色駅の周辺エリアを散策します(筆者撮影)
駅直結のアーケード商店街がある街「大田区・雑色(ぞうしき)」。住民の誰もが口にする「物価が安くて住みやすい」。その秘密はこの風景の中にあった。
建築会社や不動産会社などが毎年発表する「住みたい街ランキング」。トップテンの顔ぶれを眺めると、常連の吉祥寺や恵比寿、新宿、目黒、最近だと北千住や大宮なんかも人気だ。しかし、どれも「まぁそうだろうな」と思えるような街ばかり。
この連載では、住みたい街ランキングにはなかなか登場しないけれど、住み心地は抜群と思われる街をターゲットに定め、そこを実際に歩き、住む人の声と、各種データを集めてリポート。そして、定番の「住みたい街」にはない、「住むと、ちょっといい街」の魅力を掘り起こしていく。
駅直結のアーケード街と「オーケーサガン店」
「雑色は住みよい街だよ、間違いない。有名な店も多いし、何より物価が安いよね」
駅前にある喫煙所で煙をくゆらしながら、地元の方はそう太鼓判を押した。
京浜急行の雑色駅(大田区仲六郷2-42-1)は、品川から数えると11番目の駅である。各駅停車しか停まらない。
品川駅でJRから京急本線に乗り換えて揺られていると、途中駅で特急や急行にバンバン抜かれていく。
上手に乗り替えれば効率的にたどり着けるのだろうけど、慣れない筆者は各駅電車に乗ったままぼんやりと過ごした。ダイヤの都合で、待ち時間10分の駅もあった。都心ではあまりない経験だ。
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