商店街の中ほどに、「まちの手 雑色」という不思議な看板を見つけた。ショーウィンドウの向こうには懐かしいブラウン管テレビが展示されている。こういうところにはおもしろい話が転がっているに違いない。

看板にある「まちの手」は、「一般社団法人iFix」が運営する店舗だ。介護や医療の助けが必要な方々の相談にのり、各種サービスを提供する。アポなしの訪問にもかかわらず、代表の遠藤現代さんが快く話を聞かせてくれた。
住みやすさに惹かれ、新しい住人も増えている

「サービス提供の事業は続けるのですが、この店舗は3月いっぱいでいったん閉じるんですよ。それでもいいですか」と遠藤さん。もちろん問題ない。まずは遠藤さんの目から見たこの街の特徴を聞いてみた。
「商店街を歩くとわかる通り、昭和のテイストが残った落ち着いた街です。古くから栄えているから、お年寄りも多い。そのぶん、住民同士の交流は盛んですね。
あと最近はネパールなどの外国人も増えています。病院に行ったけど、日本語がわかる人を連れてこいって言われたのでなんとかしてくれないか、などの相談を受けることもある。
駅前にオーケーがあるし、商店街もしっかりしているから、生活のすべてがこの街の中で完結するのもいい。ちょっと大きな買い物はみなさん川崎やもう少し足を伸ばして横浜のほうに行くみたいですね。ここらへんの人は、品川(東京)より、川を越えた神奈川方面のほうが性にあっている感じですね。
あと、駅から徒歩10分ほどのところに高級マンション(プラウドシティ大田六郷)なんかもできて、新しい住民も増えているようです」(遠藤さん)

東京嫌い……というのは言い過ぎかもしれないが、23区内でありながら、川崎に親しみを抱く人が多いということか。
物価が安くて交通の便もいい。文字にしてしまえばこれだけのことだが、雑色の本当の良さは街に行ってみないとわからない。それを体感するために、あなたも一度訪ねてみては?
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