「都内絶滅寸前の大衆演劇」「15円のチキンボール」「億ション」がある23区の"カオスな街"の知られざる実態

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劇団美松の面々
劇団美松の面々(筆者撮影)
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この連載では、一般的な「住みたい街ランキング」には登場しないけれど、住み心地は抜群と思われる街をターゲットに定め、実際に歩き、住む人の声と、各種データを集めてリポート。定番の「住みたい街」にはない「住むと、ちょっといい街」の魅力を掘り起こしていく。
東京都北区の十条といえば、東京三大銀座と言われる「十条銀座商店街」で知られる街だ。しかし私は、あえてこの地を「大衆演劇の街」と呼びたい。

大衆演劇の街、十条

JR十条駅(北区上十条1)の北口を出て、ロータリーを半周したところに口を開けているのが「十条銀座商店街」だ。そこから約370メートルのアーケードが続く。東京都北区では最大級の商店街だ。170以上の店舗が並んでいる。

十条駅前の入り口から入って、しばらく歩くと、向かって右方向に伸びる「十条銀座東通り」が見えてくる。この通りにもやはりアーケードがかかっている。これを抜けると、JR埼京線の踏切がある。そこから先は「十条中央商店街」となるのだが、現在この通りは「演芸場通り」と呼ばれている。

十条銀座商店街
「十条銀座商店街」JR十条駅近くの入り口(筆者撮影)
十条銀座商店街 東通り
「十条銀座商店街 東通り」の入り口(筆者撮影)
十条中央商店街(演芸場通り)
「十条中央商店街(演芸場通り)」の入り口(筆者撮影)

「大衆演劇」といっても、若い読者にはピンとこないかもしれない。はっきりした定義はないが、大衆演劇とは、大会場で演る歌舞伎やミュージカル、また文学色の濃い演劇などとは違い、庶民を相手に娯楽性を重視した演劇のことを言う。時代劇をベースにした筋立てのヤクザものや股旅ものが多く、ひとつの公演のなかに、演舞や演歌ショーなどが盛り込まれるのも特徴だ。

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