「観光客が増えても、静かすぎても…」 品川駅から4分なのに"絶妙な静けさを持つ"街の正体 外国人が殺到、密かに人気を集める理由

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青物横丁商店街
品川区の「青物横丁」周辺を散策しました(筆者撮影)
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この連載では、一般的な「住みたい街ランキング」には登場しないけれど、住み心地は抜群と思われる街をターゲットに定め、実際に歩き、住む人の声と、各種データを集めてリポート。定番の「住みたい街」にはない「住むと、ちょっといい街」の魅力を掘り起こしていく。
今回歩いたのは品川区の「青物横丁」界隈。旧街道沿いの商店街にある古い定食屋には、外国人観光客がこぞって訪れ、街に新しい流れが生まれていた。

かつて1600軒の家が並んだ街

京急線の「青物横丁駅」は品川区南品川3-1-20にある。青物横丁は正式な地名ではなく、このあたり一帯の昔からの呼び名だ。江戸の終わり頃に、農家の人たちが青物野菜を持ち寄って売るようになった。やがてその数が増え、市場として栄えるようにもなった。そんなことから青物横丁と呼ばれるようになったようだ。

青物横丁商店街の一部は旧東海道に面している。東海道第一の宿場「品川宿」は現在の北品川駅から青物横丁付近にあった。江戸時代、この宿場は目黒川を境に、北と南に分かれていた。付近には1600軒の家が立ち並び、7000人がひしめき合うように暮らしていた。

品川宿は中山道の板橋宿、日光街道・奥州道中の千住宿、甲州道中の内藤新宿と並び、五街道の「四宿(ししゅく)」の一つとして栄えた。

ただ、近年は少し元気がない。商店街はどこもそうだが、大きな商業施設に押されて、昔からの商店街を利用する人が減っているのだ。今回私は、りんかい線の「品川シーサイド駅(品川区東品川4-12-22)」から歩き始めた。ここから青物横丁駅までは直線距離で600メートルほどだ。

青物横丁商店街で30年以上商売を続けているというある店主はこう語る。

「品川シーサイド駅ができてからは、人の流れが変わったねぇ。向こうに客を取られているのは事実ですよ。商店街の方は高齢化も進んでいるから、跡継ぎ問題も深刻でね、商売をやめてしまう人も増えています」

品川シーサイド
品川シーサイド(筆者撮影)
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