東海道南品川の交差点からぶらぶら歩いている道すがら、気になる店を見つけた。店構えからしてかなり歴史が古そうだ。食事処「松林堂(品川区南品川2-17-31)」が開業したのは終戦後まもなくのこと。3代目の店主、佐藤幸弘さんに聞いた。
「うちは目の前がお寺(天妙国寺/品川区南品川2-8-23)でしょ。門前ということもあって、店を始めた当初は餅菓子や大福、団子なんかを売っていたんです。
今でも正月には餅を売るんだけど、最近はあんまり売れなくなっちゃいましたね。食べれば美味しいことはわかってもらえるんだけど、ほら、スーパーに売ってるパックの餅が安く手に入るようになったでしょ、あれに負けちゃうんだね」(佐藤さん)
ちょうど昼時だったので、私はさばの塩焼き定食(930円)を注文した。私は焼き魚といえばサバ派だ。上手に焼き上がったものであれば小骨まで食べてしまう。ここでいただいたサバもほとんど骨を残さずきれいに完食できた。
「ここらへんの旧東海道沿いの商店街は、場所によっていくつかに分かれているんですよ。それぞれが活発に活動しています。祭りやイベントのときは、各商店街が連携して進めるので、かなり盛り上がりますよ」(佐藤さん)
商店街は海外からの客が増えている
品川シーサイドができてからは、人の流れがそちらに奪われたと嘆くが、最近はインバウンド需要のおかげで、商店街には海外からの客が増えているという。
「街道沿いだから、昔ながらの建物がたくさんある。そういうのを見に来る人もけっこういますね。うちの店も海外のSNSで紹介されているらしくって、わざわざ探して来てくれるんですよ。レトロブームっていうのかね。日本人も海外からのお客さんもそういうのが好きなんですね。店内が外国人で埋まることもありますよ」(佐藤さん)




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