「アルツハイマー」の痕跡がありながら、亡くなるまで"ほぼ症状が出なかった"シスターの【脳の密度】

「脳の偏り」が起きても老化の症状が現れない人たち
人は年を取ると、多かれ少なかれすべての人に脳の偏り(正常に機能しているところもあれば、低下しているところもある状態)が起きます。年を取っても、まったく脳が衰えないという訳にはいかないのだから、当然ですよね。
しかし、あなたの周囲にも、年を取っても頭がシャキッとして、言葉も明瞭で、動作もそこまで遅くならずに、「なんであの人、高齢なのにあんなに元気なの?」という人がいるのではないでしょうか。
そうです。世の中には年を取っても老化の症状があまり現れない人がいます。現れたとしても、ちょっと「若い頃より記憶力が落ちたかな」という程度。脳の偏りはたしかに起きているはずなのに、「なぜ?」と思いますよね。
その謎を解明するヒントとなる研究が、1986年からアメリカで行われた「ナン・スタディ」という高齢期の脳と認知機能に関する大規模な縦断的疫学研究です。
この研究は、後に研究者でもあったデヴィッド・スノウドン博士によって『100歳の美しい脳 アルツハイマー病解明に手をさしのべた修道女たち』(ディーエイチシー)にまとめられ、世界の人に広く知られることになります。
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