「がんばりたくてもがんばれない」のメカニズム。そのとき、私たちの身体の中では何が起きているのか、自律神経との深い関わり

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犬の散歩をする人
「自律神経」の状態を整えるために必要なこととは?(写真:buritora/PIXTA)
普段の生活で強い緊張や不安を感じている人は、身体の不調も伴うことが多い。「がんばりたいのに、身体が思うように動かない」のはなぜなのか。『心を病む力』(東洋経済新報社)の著者である上谷実礼氏が、心身の働きと関係の深い「自律神経」のメカニズムや、日常的にできる対処法について解説する。

心の不調から頭痛や吐き気が起こることも

心と身体はつながっていて、相互に影響し合っています。例えば胃の調子が悪いとか不眠であるとかは、呼吸や消化など生命維持に不可欠な機能をコントロールしている自律神経の働きと密接に関わっています。自律神経の働きはストレスや心の状態によって左右されることから、胃の調子が悪いのも不眠も心理状態の表れと理解できるのです。

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うつ病や適応障害の症状を見ても、気分の落ち込みやイライラなど心の症状だけでなく、食欲不振や睡眠障害、頭痛、吐き気、胃痛などの身体症状とセットです。実際に産業医面談に来られる方の中にも、つらくてしんどい思いのほかに、寝つきが悪い、頭が痛い、胃の調子が悪いなどの身体症状を訴える方が多くいらっしゃいます。

私たちの身体は、内部環境や外部環境の変化に応じて体内の状態を一定に保つための自己調節機能を持っており、これにより恒常性(ホメオスタシス)が維持されています。

例えば、気温が高いと、汗をかき、熱を体外に逃がして体温を一定に保ちます。また、目の前に車が飛び出してきたら、とっさに身をかわして、衝突を回避します。このように、私たちが意識していないところで、体内と体外で情報やエネルギーのやり取りが行われて、体内の状態が一定に保たれているのです。

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