23区なのに東京が性に合わない人が住む街「雑色」。「品川や川崎の影に隠れている」「各駅停車しか停まらない」街の実態と、住民が語る魅力

✎ 1〜 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

雑色の駅を出ると、目の前がアーケード街だ。その向こうに「エブリデイ・ロープライス」の「オーケー」が見える。なにやらワクワクする風景だ。

ひょんなことから出会ったトランペット講師のyoshiさんは、3カ月前に川崎から雑色に引っ越してきた。yoshiさんは雑色を選んだ理由をこんなふうに語る。

「生まれも育ちも川崎なんですが、コロナ禍で仕事が暇になったおりに、いろいろな街を散策するようになったんです。そこで見つけたのが雑色です。

昭和の雰囲気が残っているし、物価は安いし、街の人は親切だし、すぐに気に入りました。住むには最高だなと、思い切ってこちらに移り住みました」

筆者は乗り換えが下手だっただけで、交通の便も実はいい。きちんと乗り継げば、品川駅まで16分ほどだし、東京駅には30分、羽田空港までは13分ほどで到着だ。

雑色駅から主要駅まで(筆者作成)

恥をさらすようだが、「ぞうしき」という地名、これまで何度か聞いたことはあったのだが、「雑色」でそう読むことを知らなかった。漢字だけ見せられれば、たぶん「ざっしょく」と読んだであろう。

雑色駅があるのは大田区仲六郷だ。明治の末、旧六郷村に編入されるまで、ここら一帯は雑色という地名だった。駅名はそれにちなんでいる。

街のことは地元の不動産屋に聞け

今回話を聞いたのは、この地で38年の歴史がある「株式会社サンセイ(大田区仲六郷2-42-5)」代表の山崎誠治さんだ。生まれも育ちも雑色とあって、かなり詳しい。

株式会社サンセイ
株式会社サンセイ代表 山崎誠治さん(筆者撮影)
株式会社サンセイ
株式会社サンセイの外観(筆者撮影)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事