雑色の駅を出ると、目の前がアーケード街だ。その向こうに「エブリデイ・ロープライス」の「オーケー」が見える。なにやらワクワクする風景だ。
ひょんなことから出会ったトランペット講師のyoshiさんは、3カ月前に川崎から雑色に引っ越してきた。yoshiさんは雑色を選んだ理由をこんなふうに語る。
「生まれも育ちも川崎なんですが、コロナ禍で仕事が暇になったおりに、いろいろな街を散策するようになったんです。そこで見つけたのが雑色です。
昭和の雰囲気が残っているし、物価は安いし、街の人は親切だし、すぐに気に入りました。住むには最高だなと、思い切ってこちらに移り住みました」
筆者は乗り換えが下手だっただけで、交通の便も実はいい。きちんと乗り継げば、品川駅まで16分ほどだし、東京駅には30分、羽田空港までは13分ほどで到着だ。

恥をさらすようだが、「ぞうしき」という地名、これまで何度か聞いたことはあったのだが、「雑色」でそう読むことを知らなかった。漢字だけ見せられれば、たぶん「ざっしょく」と読んだであろう。
雑色駅があるのは大田区仲六郷だ。明治の末、旧六郷村に編入されるまで、ここら一帯は雑色という地名だった。駅名はそれにちなんでいる。
街のことは地元の不動産屋に聞け
今回話を聞いたのは、この地で38年の歴史がある「株式会社サンセイ(大田区仲六郷2-42-5)」代表の山崎誠治さんだ。生まれも育ちも雑色とあって、かなり詳しい。


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