品川から2駅、知る人ぞ知る「処刑場があった街」の"実態"  罪人が渡った「なみだ橋」の残る街が、都心なのに再開発されない事情

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日本最大級のフリーマーケットを歩く

フリーマーケット
大井競馬場の駐車場を使って行われるフリーマーケット(筆者撮影)
大井競馬場
大井競馬場の駐車場を使って行われるフリーマーケット(筆者撮影)

日本最大級の地方競馬場で行われる日本最大級のフリーマーケット。取材に行った日も多くの客でごった返していた。神奈川県から来ているという3人グループ「Sans Titre」の方々に話を聞くことができた。

「店の名前は『Sans Titre』、フランス語ですね。直訳すると『無題』という意味です。毎週土日のどちらかには来てますね。どうしてここを選ぶかって?  率直に言うと売り上げがいいんですよ。ここに集まるお客さんは気前がいいってことかな。外国からのお客さんも多いしね。たぶん半分以上が外国人じゃないかな」(Sans Titre・ミハラさん)

そんな話をしている間にも、客が途切れることはない。確かに売れているようだ。筆者も思わずアンティークめいた顔をしたガスライター(1000円)を買ってしまった。

「お客さんも外国の方が多いけど、最近じゃ出店側も外国人が増えていますよ。ここは商売になる、という話が広まっているってことでしょうね。もう、ひとつの市場ができあがっている、という印象です」(Sans Titre・カワサキさん)

Sans Titre
「Sans Titre」の面々。左からヨシユキさん、ミハラさん、カワサキさん(筆者撮影)
Sans Titre
「Sans Titre」の看板(筆者撮影)

立会川の印象について訊ねると、こんな答えが返ってきた。

「街の真ん中を立会川が流れていて、すぐに海につながっています。その向こうにはいろんな国がある。このフリーマーケットで外国からのお客さんに対応しているとすごく感じるんですけど、この地域って海外とつながっている、そんな印象なんですよね」(カワサキさん)

【本文中で紹介できなかった画像も】都心なのに「ほぼ無名」な街・立会川。一見地味だが、再開発の波を逃れ、魅力的な個人店も多い

たしかに、海の向こうを見つめて海運会社「海援隊」をつくった坂本龍馬ゆかりの街でもある。何やら得体の知れないパワーを感じる。住まないまでも、まずは土日のフリーマーケットから立会川体験をはじめてみてはいかがだろう。きっと住むとちょっといい街の片鱗が見えるはずだ。

【もっと読む】23区なのに「陸の孤島」都民も知らない街の実態 ほったらかしにされてきた土地「江戸川区平井」 では、23区でありながらこれまで「ほったらかし」にされてきた街・平井を、街に詳しいライターの末並俊司さんが探訪、豊富な写真とともにその魅力をお伝えしている。
画像をクリックすると本連載の過去記事にジャンプします
末並 俊司 ライター

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すえなみ・しゅんじ / Shunji Suenami

福岡県生まれ。93年日本大学芸術学部を卒業後、テレビ番組制作会社に所属。09年からライターとして活動開始。両親の自宅介護をキッカケに介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)修了。現在、『週刊ポスト』を中心として取材・執筆を行っている。

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