競馬場の客は減少気味でも土日になると盛り上がる理由
立会川駅から東側へ商店街を抜けて旧東海道を右に折れてしばらく歩くと、競馬場通りに突き当たる。実は立会川は大井競馬場(品川区勝島2-1-2)のお膝元でもあるのだ。競馬場は駅からは徒歩で15分ほどの距離だ。
ほぼ毎週末、ここでフリーマーケット(Tokyo City Flea Market)が行われる。収容数約1500台の駐車場を使って、最大600ものグループが出店する日本最大級のフリーマーケットだ。

競馬に詳しいライター・新留若人さんの説明。
「大井競馬場は地方競馬の優ともいえる競馬場です。東京シティ競馬という愛称で親しまれていますよね。1986年にはアフター5のサラリーマン客を狙って、日本初の夜間競馬『トゥインクルレース』を開催したことでも知られています。
地方競馬は中央競馬(JRA)と比べると、一般的に小規模ですが、大井競馬場の規模は中央競馬級といってもいい。基本的に土日のレースはないので、駐車場を使ってフリーマーケットが行われているわけですね」
さらに、新留さんは街と競馬場の関係について続ける。
「これは大井競馬場に限った話ではないのですが、競馬場の集客数は年々減少傾向です。つまりそのぶんレース場のある街の集客も落ちているはずです。昔は競馬場まで行って馬券を買っていたけど、今はネットで買いますからね。この流れがコロナ禍で加速したんですよ。
競馬を含め、公営レースはコロナ禍でもわりと開催していて、これも一種の巣ごもり需要なんですけど、やることがないからネットでレース券を買う人が増えて、公営レースの売り上げは伸びた。ところが、レース場そのものには人が集まりにくくなっています」
立会川商店街でも同じような話を聞いた。かつてはレース開催日ともなると「商店街は地面も見えないほど人通りがあった(某店主)」らしい。しかし近年ではすっかり客足が落ち込んでいる。「シャッターを閉める店も増えていますよ」とその店主は表情を曇らせた。
代わって人を集めているのが大井競馬場で行われるフリーマーケットだ。
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